
被保険者を出発点として、介護保険制度上では苦情等にかかる申し立て先が複数想定されています。被保険者としては、ほとんどの場合、身近な相談窓口への苦情申し立てを望むものと考えられています。
その第一が実際に介護サービス提供している事業者であります。事業者として苦情を受け付ける窓口を設置すべきことが「運営基準」で明確に示されています。
他に身近な窓口と言えば、市役所や町村役場が考えられます。政令指定都市では、区役所がこれに相当します。苦情処理においては、「運営基準」において、市町村が事業者に次ぐ窓口として位置づけられております。保険者としての責任、そして住民にとって身近であるということから、市町村が苦情処理の『第一次的窓口』として定められております。
サービス事業者と市町村との中間に位置するのが、さらに身近な各種相談機関や相談相手であります。ここには、在宅介護支援センターや社会福祉協議会などの組織の他、医師や保健師、看護師、民生委員など様々な人が想定されます。
しかしながら、単なる不平・不満と異なり、サービス改善を期待する『苦情処理』にあっては、正式な手続きが求められます。この意味で法規上位置づけられているのは居宅介護支援事業者であります。
居宅介護支援事業者は、運営基準の中で、サービス事業者として自らに対する苦情を受け付けるという規定の他に、利用者が居宅サービスについて苦情申し立てをする支援を行うという役割が付与されています。
国保連合会は、介護保険法第176条のもとで介護保険制度における苦情処理機関として明確に位置づけられています。さらに、「運営基準」においては国保連合会の事業者に対する指導・助言の権限がうたわれるとともに、平成15年度の改正において、指導・助言を受けた改善内容の(国保連合会への)報告義務が盛り込まれました。
指定基準違反が疑われる場合には、都道府県が調査をすることになっており、場合によっては事業者に対し「指定取り消し」を行うことになっております。
保険給付に関する不服は、介護保険法第183条「介護保険審査会」で受け付けることになっています。
なお、実際の手続きでは、利用者からの相談や苦情の連絡を受けた国保連合会(介護苦情・相談センター)からの通報を受けて、都道府県で処理を開始するケースが多いものと考えられます。
(国保中央会の「介護保険にかかる苦情処理の手引」より抜粋)
