やまなしの国保 4月号
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国保指導担当山梨県の国保情報県国保援護課はじめに 国民健康保険制度は、医療費が増加傾向にある中、長引く景気低迷により保険料(税)収入が伸び悩むなど、引き続き厳しい状況に置かれています。 県がまとめた平成23年度の県内の国民健康保険決算状況においても、実質単年度収支は約15億円の赤字で、28保険者中21保険者が赤字となっており、依然として厳しい財政状況にあります。 このような中、県では、国民健康保険事業の適正かつ安定的運営の確保を図り、国保財政の健全化、医療費の適正化及び保健事業の推進等に資するため、保険者及び国保連合会に対する指導・助言を行っています。指導・助言の実施状況 平成24年度の保険者等に対する指導・助言は、次のとおり実施いたしました。①実地助言 保険者の定例事務打合せは、これまで原則として2年に1回実施しておりましたが、本年度からは、3年に1回を原則とすることに変更し、9保険者と山梨県国民健康保険団体連合会に対して実施しました。ただし、財政状況が悪化していることや、収納率が低調又は低下している等の状況にある保険者については、特別な事務打ち合わせを実施しており、本年度は1保険者に対して実施しました。 実施時期については、9月27日に山梨県国民健康保険団体連合会に対する指導監督を、10月2日~1月10日に10保険者に対する実地助言を実施しました。②書面助言 実地助言の対象とならない18保険者については、書面にて事業内容を確認しました。指導・助言の内容と留意事項 指導・助言の主な内容としては、予算の編成・執行の適正化や赤字解消への取り組みに関すること、保険料(税)の収納率向上への取り組みに関すること、医療費適正化に関すること等が挙げられます。 これらの結果を踏まえて、主に保険者に対する留意事項を次のとおりまとめましたので、事務の参考にしてください。①財政の安定化 国民健康保険財政の安定化は、保険者にとって最重要課題です。前年度から継続して実質単年度収支が赤字となっている保険者が多い状況であることから、予算編成や財源充当の適正化及び一般会計からの法定外繰入や財政調整基金の取り崩しなどに大きく依存した会計処理の見直し等について助言を行いました。 一般会計からの法定外繰入や基金取り崩しによる財源確保への依存が恒常化すると、国保会計の安定的な財政運営を持続するうえで大きな支障を来すこととなりますので、予算編成に当たっては、まず、医療給付費等の歳出をできる限り正確に推計し、国庫支出金等を差し引いた残りの金額を保険料(税)で賄うことができるかを十分に検討する必要があります。その結果、不足が生じるようであれば税率を見直すなど、必要な財源の確保を図るようにしないと、医療費の支払に不足が生じることとなり、その財源補填として一般会計からの法定外繰入や基金取り崩しに頼らざるを得ない状況に陥ってしまいます。 なお、税率の大幅な引き上げや、所得割が高いことによる負担の不公平感等は、被保険者の納付意欲の減退を招き、収納率の低下に繋がりますので、国保財政の中期的な見通しを立て、計画的に税率の見直しを行ってください。 また、保険料(税)を構成する、医療分、後期高齢者支援金分、介護保険分について、それぞれの収支状況の確実な把握に努め、適切な税率による賦課を行っていただきたいと思います。②保険料(税)の収納率向上 保険料(税)による収入の確保は国保財政の根幹であり、保険料(税)を適正に賦課した上で、収納率の向上を図ることが重要です。 平成23年度の県内市町村の収納率は2年連続で上昇し、前年度から0.43ポイントUPの89.10%となりました。しかしながら、依然として90%には届かず、決して楽観視できる状況ではありません。 収納率の低迷は、被保険者に負担の不公平感を生じさせてしまい、さらに新たな滞納者が発生し収納率の低下を招くという悪循環に陥ることが懸念されます。このまま収納率の低迷が続くことは、国保制度の運営に重大な支障を来すことになります。各保険者においては、収納対策緊急プランの策定等により、収納対策に積極的に取り組まれていることと思いますが、本年度も収納率向上に向けたなお一層の取り組みが必要です。平成24年度 国民健康保険         指導・助言結果から12

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